あの遠い日に 僕たちは、かなえられない約束をした。

Amazonで予約開始した瞬間に予約しておいた「雲のむこう、約束の場所」のDVDが届いてたんで帰宅して即鑑賞開始。

………もう信者でもなんでもいいや、やっぱ新海誠すげェ。神認定どころの話じゃないっつーか俺如きが認定してもしょうがないっつーか。

本人自ら庵野リスペクトだと公言している通りというか、ガイナ的要素は多分に鏤められてるんだが、新海テイストのひとつと言っていい、美術表現としての眩しい光や美しい空、空気感のある情景描写によって、すんなりと伝わってくるあたり、DVDじゃなく劇場で観たかったな、と思うことしきり。

いやね、背景はホントに( ゚д゚)ポカーンってなる。新海誠が以前の談話で『風景がくすんで見えたことは一度もない。いつも風景の力に元気付けられてきた』って語っていたけど、少なくとも背景描写については完全にジブリを超えたと断言していい。特別な、フィクションじゃない、誰もがいつか見たような…そんな風景は、技法としての映像表現や、演出としての癒しとかじゃなく、それはまぎれもない新海誠からのメッセージの一部なんだと思う。

天海氏の音楽も、多少なりとも音楽で金を貰っていた事がある俺にとっては全開リスペクト指令というかなんというか。「ほしのこえ」のサントラも勿論予約買いだったけど、今回は劇場で観ていない状態でDVDより先にサントラが発売になったんで、まずは作品として完成された状態で鑑賞して、サントラはそれからだって事でまだ買ってないんだが、もう明日の仕事帰りに買って帰るの確定。Amazonで通販とかもう待ってらんない(笑)。ヴァイオリン、良すぎ。あれは弦楽器を意識しないと書けない曲だ(=俺じゃ無理)。映像と組み合わせたときのメッセージ性って意味では、「ほしのこえ」がストレートに直球勝負な打たせないピッチャーだとすると、「雲のむこう〜」は打たせて捕る技巧派ピッチャーってカンジかな。でも、方向性は違えど、目的はいっしょというか。ちゃんと「映画音楽」してるんだよなあ。いいなあ。

キャスティング。吉岡秀隆も、萩原聖人も、いい仕事してくれた。特に、中学時代のヒロキは上手かった。あと、南里侑香ステロタイプなアニメ声声優っていう見方は今後はされなくなるんじゃないかなって思う。現代の眠り姫はちゃんと演じきっていたから。で、特筆すべきはもうオヤジがカッコイイことこのうえねえ(笑)。石塚運昇井上和彦なんてもう美味しいだろコノヤロウ!!!!。居酒屋のシーンのガチっぷりつったらもう。

ともすれば単なる「セカイ系」で片づけられちまうかもしれないが、そうしたいヤツにはそうさせておけってところかな。俺はもうあの離陸シーン見られただけでOK。

来週発売の complete book も買おう…。これで次の作品につながるなら、2冊でも3冊でも買うよ俺。



とりあえず、しばらく使ってなかったプロジェクタ引っ張り出そうということだけは決意した。やっぱ、あの映像は視界を塞ぐくらいの画面でこそ堪能すべきだ。